04 · BASE-LAYER GENERATIVE COGNITION

基層生成配列認知

対象を名称や用途だけで捉えず、その成立以前から働いている配列、関係、運動、変化として捉える認知です。

COGNITIVE STRUCTURE

具象の奥で、何がどのように
組み合わさり、動いているのか。

一つの対象を固定した名称や機能として見るだけでなく、要素の配列差、距離、運動、振動、接触回数、結合と分離、循環と断線、再配置として把握します。そこから、形が生まれる条件と、変化が起こる地点を読み取ります。

配列·距離·運動·結合/分離·再配置
01

名称以前を見る

「何であるか」という分類の手前で、何から構成され、どのような関係によって成立しているかを見ます。

02

動態として捉える

形を固定物としてではなく、接触、変化、循環、断線を含む生成途中の状態として捉えます。

03

再配置を読む

要素と関係の組み替えによって、個人、集団、制度、社会に異なる状態が生まれる構造を探究します。

DETAILED THEORY

研究を支える認知構造

ふかさかみなみの研究の基盤には、物事を固定された一つの対象としてではなく、複数の要素が関係し、作用し、変化しながら、一つの具象を生成している動態として捉える認知があります。

目の前に一つの「もの」があるとき、その完成された形だけではなく、それを構成する小さな要素、それぞれの配置、相互作用、周囲との関係、時間的な変化が重なった構造として認知します。

この認知を、本研究所では「基層生成配列認知」と呼んでいます。

01

世界を「配列」と「生成」から捉える

私たちが日常で一つの物体として認識しているものも、その内部にはさらに小さな構成があります。

物質を微視的に見れば、分子、原子、原子核と電子があり、原子核を構成する陽子や中性子は、さらにクォークから構成されています。一つの完成された物体に見えるものも、異なる階層から見れば、無数の要素が一定の配列と関係を形成している状態です。

基層生成配列認知では、この「完成した形の手前にある構成」を捉えます。それぞれの要素は静止しているのではなく、他の要素と出会い、関係し、作用しながら、次の状態を生成し続けています。

構成 · 配列 · 関係 · 作用 · 時間 · 変化 · 生成
02

具象・基層・動態は、どのようにつながるのか

基層とは、完成した形の背後で、その成立条件となっている要素と配列の層です。そこにある距離、接触、結合、分離、循環、断線、再配置を捉えることで、完成した具象も、固定された物ではなく、複数の要素が関係しながら生成を続ける動態として見えてきます。

「基層生成配列認知」は、具象の手前にある配列から、具象が生まれ、変化し、次の状態へ移る過程までを、一つの連続した生成構造として捉える認知です。

03

ミクロとマクロを同時に見る

この認知は、物質だけに向けられるものではありません。

一人の人間を見るときにも、その人の現在の言葉や行動だけではなく、経験、感情、環境、他者との関係、時間的な経過など、現在の具象を生成している複数の要素を捉えます。

社会を見るときには、個人、集団、制度、文化、歴史を。歴史を見るときには、史料、人、土地、移動、系譜、祭祀、文化、現在までの継承を。一つひとつの要素を分離したまま見るのではなく、異なる縮尺と時間軸を行き来しながら、全体がどのように生成されているのかを捉えます。

04

認知できる世界と、存在する世界

人間が見ている世界そのものも、人間の知覚能力によって構成されています。色覚は、その違いを理解する一つの例です。同じ物理世界の中にいても、知覚できる情報の範囲が異なれば、そこから立ち上がる認知世界も異なります。

人間が「一つのもの」と認識し、名前を与えている世界は、世界そのもののすべてではなく、人間の認知によって統合された世界でもあります。

基層生成配列認知の研究では、「人間には何が見え、どのように統合され、一つの現実として認識されているのか」という問題も扱います。

05

異なる領域を一つの構造として捉える

この認知によって、通常は別々の専門領域として扱われる現象の間にも、構造的な接続を見いだすことができます。

人間の認知、AI、教育、福祉、社会制度、歴史、文化継承、自然、芸術。対象そのものは異なっていても、「何によって構成されているのか」「要素同士はどのように関係しているのか」「何が動けば全体が変化するのか」「そこから何が生成されるのか」という構造を見ることで、領域を越えて考察することができます。

この認知構造が、AI–HUMAN Joint Research Labにおける超分野的研究の基盤となっています。

06

絵画・対話・研究

ふかさかみなみの絵画、対話、研究は、それぞれ独立した活動ではありません。

絵画では、色、点、線、形、余白が関係しながら一つの世界を生成します。対話では、言葉、感情、経験、記憶、関係性が動きながら、新しい認識が生成されます。研究では、異なる分野の情報や事象を接続し、その背後にある構造を捉えていきます。

表現方法は異なっていても、その基盤にある認知は共通しています。

部分を見ながら全体を捉え、
全体を見ながら一つひとつの構成を見る。
そして、その間で起き続けている生成を捉える。

これが、ふかさかみなみの研究と創作を支える「基層生成配列認知」です。
無数の色と点の配列から孔雀の全体が立ち現れる作品